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公社南砂住宅自治会7号棟委員会

毎日の生活を安心して送るために取り組んでいます

活 動 日 :第1・3土曜日の19:00~21:00
活動場所:南砂住宅自治会
参 加 費 :なし
参加条件:南砂住宅7号棟にお住まいの方
担 当 :稲葉(いなば)

活動目的

見守りや住民同士の交流を通して支え合いの輪を広げる。困りごとの早期発見・早期対応。

活動内容

全世帯訪問活動や、月2回の見守り活動・助け合い活動を行っています。昨年度より福祉フリーマーケットと称して、高齢者や障がい者宅を訪問し、会話をしながら提供商品や販売商品の選択をしています。評判も上々で地域全体への拡がりをみせています。この活動は11年目を迎えました。

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インタビュー

東陽町駅近くの大きな公社南砂住宅は、7号棟だけでも400世帯を超える規模で、コミュニティ活動を進めるにしても多くの困難があったと想像できます。

そんな中、15年前から住民の交流が必要と思い立った人々がさまざまな工夫で見守り活動をしている南砂住宅自治会7号棟の稲葉さんに地域で顔の見える関係つくりについて、お話をうかがいました。

まずは棟内の現状把握から

ここの団地は築43年くらい経っているとうかがいました。
まずは、15年前に見守り活動をスタートしたきっかけを教えてください。

地域でつながりが必要ということはわかっていたんだけど、何から始めればよいかわからなかったので、まずは男性3人で住宅の中を歩いてみようということで、タバコ拾いから始めたんです。

ゴミ清掃から始めたのですね?

そうです。
ゴミを拾いながら、そのうち、棟内のパトロールでは新聞が溜まっている家を訪ねて安否確認していました。
これは、10年位前から本格的に取り組んだかなぁ。

タバコのゴミ拾いから安否確認というと、大きく活動が広がっていますが、安否確認はどのように始めたのでしょうか?

安否確認をしたいと思っても、そもそも自分達は7号棟住宅の一部しか知らないから、同じ棟の女性達にも声掛けをして入ってもらい、まずは住民の名前を書き込む地図を作ったんです。

その時は、何人くらい集まったのですか?

全部で20人くらいです。
それで、白紙の住宅の名前を書き込める模造紙に、20人がそれぞれ知っている方の名前を入れていってもらったら、埋まったのが3分の1に過ぎない。
で、この作業を踏まえて「この状況をどうしよう?」って参加者に聞いたんです。

なるほど!
団地内の人間関係を可視化することで、参加者に自分事として感じてもらうことができたのですね。

そうしたらみんなが、「いや、一回全戸訪問しましょう!」と言うんで、全戸を訪問するボランティアを募集したんです。そうしたら31歳から83歳までの24人集まったの。

事前通知を行い全戸訪問を実施

ずいぶん若い方から年配の方まで幅広く参加してくれたんですね。
ちなみに、7号棟は全部で何戸あるんですか?

403戸です。これを24人のボランティアだから、4人1班でそれぞれの家を回っていく形にしたの。

一棟で403戸!
団地内住民の方々へは、事前通知などは行ったのですか?

事前に都合6回、「いついつ訪問しますけど、嫌だったら拒否をお願いします」という形で通知書を全戸に出したんです。

お願いであって、『強制はしないよ』ということですね。
それにしても6回とは…大変でしたね。

強制はしないことは絶対条件だよね。
それから紙に「ドアを叩かなくて結構です」「私達元気にやっています」みたいな貼り紙を作って、訪問が嫌な人に貼ってもらったの。

なるほど。貼り紙なら面接したくない人の把握まで不快感なくできますね。
質問等は、あらかじめ決まった型があったのですか?

やみくもに質問するんじゃなくて、避難訓練という名目でやりました。避難訓練なら、全世帯対象になるでしょう。嫌でもね、対象になっていますよということです。
その上で、聞けるところには、何人家族かとかくらいは聞きました。また、突っ込んで入居者が何歳かではなく、「65歳以上は何人いますか?」とか、そういう質問をしました。

そうすると、将来この家は助けが必要になるかも…という分析はできますね。

そうそう。

南砂住宅は大型団地です

自治会とは別の委員会にしたというのは、何か意図があるんですか?

7号棟委員会を自治会でやると、自治会の加入が半分くらいなんですよ、強制じゃないから。そうすると自治会員以外のところに訪問できないんだよね。だから避難訓練にしたの。
うちは早いうちに委員会と災害協力隊は自治会と別の独立組織にしたんです。災害協力費は、全所帯対象に支給されているんだけど、自治会費の予算に入れるのはおかしいということですね。

なるほど。言われてみたら確かに納得です。
南砂住宅でこのような活動は、7号棟だけで取り組んでいるのですか?他の棟はどうでしょうか?
各棟ごとに、取り組みに差異はあるのですか?

南砂団地で、全戸訪問をやっているのは、7号棟と2号棟だね。パトロールをやっているのは、1号棟。
3号棟、6号棟はお茶飲み会、1号棟は年1回食事会をやっています。

それぞれの棟で、顔の見える関係づくりに向けて創意工夫されているんですね。

さまざまな仕掛けで顔の見える関係作り

定期的な全戸訪問の他に、7号棟では顔の見える関係つくりは取り組んでいますか?

福祉フリーマーケットや流しそうめん、芋煮会などをやっていますね。

まずは福祉フリーマーケットから教えてください。

福祉フリーマーケットはね、1~8号棟まで全部が参加しました。
品物も全部のところから出してもらって行ったんだけど、「2回目どうする?」って聞いたら、みんなが「やりたい」って言うほど大成功でした。
自治会に入っていない若い人が、500円の場所代を払って参加してくれ、その後3人くらいは自治会に入ってくれました。
その他に、児童館・長寿サポートなどともタイアップしたので、多世代の交流の場にもなっているんです。

自然と多世代が交われる仕掛けになっているのですね。
ちなみに、フリーマーケットについて、今後の展望みたいなものはありますか?

今考えているのは、お年寄りの家にお邪魔して出品物を提供してもらい、「おばあちゃん、お値段いくらにしようか?」「売れなかったらどうする?」みたいな会話をいっぱいしていこうと計画しています。
こうすることで、自然と室内に入ることができるから。

そうすると、もっと棟内の関係が親密になりますものね。何かあった時の下地になるんですね。
こうしてお話を伺っていると、稲葉さんの活動の軸は、「住んでいる人同士がお互いに顔見知りになり、お互いを知ろうよ」ですね。

そうそう。
どういう人が住んでいるのかがわからなければ始まらないでしょ?ってこと。これはうちの住宅だけじゃなくて、町会でもどこでもみんな一緒でしょう。
じゃあどうやったらってことを、僕たちは防災訓練を道具にやってみたってだけのことなんですよ。

防災を軸にしたまとめ方というのは、非常にまとまりやすいですよね。でもそれが福祉フリーマーケットとかに発展していくのはすごいですよね。

芋煮会とかも、結局は顔の見える関係づくりなんだよね。
僕たちは防災訓練とセットにしているんだけど、日頃、出て来られない方にも、芋煮の手土産があれば、ドアを開けてもらいやすいっていう(笑)
それと、団地に限らず地域ともタイアップして顔の見える関係の輪を広げていきたいと思っています。

住み慣れた自宅での生活を続けるために

創意工夫でたくさんの仕掛けをされている7号棟ですが、今後の課題はありますか?

課題というか、僕個人の希望だけど、いろんなところでも見守りだとか、たくさん取り組んでいるはず。
その失敗も成功も両方出してみて統計を取ってみたいという気持ちはあります。
きっと、失敗もあるはずなんだよ。それを出してこないと、いったいどこで失敗したのかの原因がわからない。『実はこことここが同じ現象だった』というのもあるはずなんです。

個々で創意工夫するのではなく、データ化から見えてくるものを探ろうということですね。

というのも、高齢化比率って簡単に出しているけど、それとは別に、高齢でも自力では無理だという限界値があるはずなんだ。
こういう活動をやっていると、その限界をどうしたらもう少し先にできるかなって思うんだよね。
江東区の在宅限界点を調べてデータ化したものを、大学の研究とかで分析してもらうと、また違った取り組みのヒントが得られるかもしれない…とか、いろいろと考えちゃうんだよね。

確かに。
私もできることがあったら協力をさせていただくので、ぜひ、地域の皆さんの力で、1つずつ具現化していっていただきたいと思います。
今日はありがとうございました。

編集部コメント 

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南砂住宅の7号棟では、3人の活動から各戸訪問、コミュニティづくりまで大きく発展をさせています。防災を軸にした各戸訪問の方針、世帯図の作成など稲葉さんの活動には多くの工夫があり、たくさんのヒントをいただきました。これからコミュニティ活動を開始する場合にお手本になると感じました。

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Posted in まちづくり , 城東南部